OASIS

劇場霊のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

劇場霊(2015年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

新しく始まる舞台のオーディションに選ばれた女性達が、その道具として使われる人形の呪いに襲われるという話。
監督は「女優霊」等の中田秀夫。

AKB48の島崎遥香主演のホラー映画。
ジャパニーズ・ホラーに新たな旋風を巻き起こし、海外誌やサイトでも今なおトップ圏内に名前が挙がる「女優霊」の流れを汲む作品だが、ジワジワと背後まで忍び寄って来るようなネットリとした恐怖演出が印象的だった前者と比べると、さながらモンスター映画のように変貌してしまった今作は、インパクト重視の巷にあるホラー作品と何ら変わらないような面白みの無いものになっていて残念だった。

ある女貴族の生涯を描いた舞台に出演することになった若手女優の主人公。
オーディションに参加するも手に入れる事が出来たのは端役で、華のある事務所の先輩が主役を務めることに。
そんな時、道具の一つである人形の仕業により、女性スタッフの死亡や主演女優の怪我などの現象が起き始める。
芝居中に人形を斬りつけようとした女優が人形の目が動くという現象を目の当たりにして、恐怖のあまり芝居が続けられなくなってしまうという展開が稽古×2回本番一回と合計3回も繰り返されるのだけど、これが毎回同じ演出で全く芸が無い。
「笑うがいい!」みたいな台詞を何回聞かせるんだよというくらい連続で聞かされて辟易とするし、しかもその場面自体も全く怖くないしで本当に退屈だった。
台詞も「人形が...人形が...」という風にあえて含みを残した表現なので「その先を言えば済むじゃん」と展開の先延ばしの為に言い渋っているようにしか見えなかった。

映画全体を通してゾクっとする場面が一つも無く、かといってシュールさのある笑える場面も無いしで、まさに主人公が言っていた通り「真剣にやり過ぎて面白みが無い」という状態だった。
女性スタッフや主演女優が襲われるシーンでは人形そのものが動き出して来るし、しかもその動きがコロッケのネタの五木ロボットひろしみたいなカクカク具合で近づいてくるので滑稽にしか見えないという。
最も怖がらせようとしている場面が逆に可笑しいという意味では笑えるのだが、如何せん俳優陣は迫真な演技でやっているので笑えるに笑えない。
というか人形ってそんなに怖いものなのかな?
実体化してるんだったらドロップキックで一発でバラバラだろうに。

納得いかなかったのが、永遠の美しさを求めて女性達の生気を吸い取っていた人形が、クライマックス付近になると「もうどうにでもなれ!」という風に、若い兄ちゃんや全く劇に関係ない警備員のおっさんにまで手を出すので「いや、誰でもいいんかい!」となってしまっていた所。
まさかの両刀使いだったとは...。
まぁ兄ちゃんやおっさんの方は生気を吸い取っても逆にシワが増えるだけと思い殴っただけで済ませているのかもしれないけども。

主人公が前述したように一つ一つの台詞が短いのでそこはAKBの人の演技の問題なのかなとは思うが、悲鳴を上げるシーンにしたってキャーキャー言うだけだし他の人に対しても「○○さ〜ん!○○さ〜ん!」と大声で名前を呼ぶだけという、本当にひねりも芸も無い台詞ばかりで聞いているのが恥ずかしいくらいだった。
怖いか怖くないかで言えば全く怖さが無いが、足立梨花が生気を吸い取られてみるみる老けて行くシーンは必見である。