度し難い駄作。『リング』の素晴らしさがまさに奇跡だったことを証明するかのような、どうしようもない出来。 とにかく陳腐、ひたすら冗長、ただただ練り込み不足。バックステージモノとしてもホラー映画としても大変お粗末。
監督のインタビューを読むと、イタリアンホラーのような映画がやりたかったらしく、確かにダリオ・アルジェントの映画のような赤や青、黄色といった原色を使った照明が使われていたり、襲ってくる人形の動きが『サスペリア2』みたいだった。だが、マリオ・ヴァーヴァやアルジェントの作品にオマージュを捧げた『煽情』にあった開き直り感がこの映画にはなく、イタリアンホラーの下手っぴなモノマネを観させられてる気分になった。
また、演出家役の小市慢太郎のいかにも“演出家”という記号的な演技に辟易。アサイラムの映画に出演している俳優の方がもっとマシな演技してるよ。
もっと言いたいこともたくさんあるけど、こんな映画のために長々と書くのも時間の無駄な気もするので止める。今年観た映画の中ではダントツのワーストムービーだった。