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ディーブのshunのレビュー・感想・評価

ディーブ(2014年製作の映画)
4.0
‎[ذيب/Theeb]「ディーブ」

去年ヨルダン大使に勧められた映画です。
その時はAmazonで海外版のDVD購入して観賞。今回は東京外国語大学のTUFS Cinemaという映画上映会で観ました。
日本語字幕付きは今回が初だそう
上映後には駐日ヨルダン領事のトークセッションもあり映画の背景や文化についていろいろ貴重なお話が聞けた。

ベドウィン部族の少年が主人公のお話。
イギリス軍人の案内を頼まれた兄について行く彼はその後予測もしない出来事に巻き込まれていくことになる。

「スター・ウォーズ」「デューン」「インディ・ジョーンズ」など数々の名作の撮影地として使われていることで有名なヨルダンで製作された本作。アカデミー賞にもノミネートされています。
大スクリーンで見ると家のテレビでは気づかなかった自然と砂漠の映像と音楽の美しさを感じた。

タバコが出てくるシーンがいくつかあるのだけどどれも印象に残った。
イギリス人軍人が吸って煙を吐くシーンがなんか映像がかっこいい。
彼がディーブにタバコを勧めるもディーブは断る。後半に同じタバコを別の人に出されるがこれも断る。
途中の展開が壮絶すぎるのだけどディーブはまだほんの子ども何だって思わされるシーン。

後は最初の方のロバに乗って兄たちを追いかけるシーンが可愛くて大好き。足が揺れてて必死にロバを走らせてる感じが愛おしい。
それが最後にはラクダに乗る後ろ姿に。
彼がタバコを吸う日もそう近くないのかもな

そういえば女性が全く出てなかった気がする。

アラビア語は地域によって相当アクセントが違うのだけどヨルダン領事もベドウィンの言葉は理解できて8割9割だと言っていた。
でもヨルダン、シリア、レバノン等で話されているアラビア語はフスハーに近いのでほとんどの人が理解可能らしい。
それとメディアや音楽、映画のおかげでエジプトのアクセントも大体の人が分かるって言うのが興味深かった。

映画の最初にベドウィンの部族の人が見知らぬ人をキャンプに迎え入れるシーンがある。名前や出身聞くよりまずは歓迎してコーヒー出して食事を出すってシーンにアラブのおもてなしの心が描かれているそう。
領事はIn the end, we are all human beings.と言っていたけどまさにその通りだと思った。

この映画は全編砂漠で進む。ステレオタイプでヨルダン=砂漠とされがちな中、今回はあえてそんな映画を上映することにしたらしい。他にも誇るべきものはたくさんあるから”Other sides of Jordan”を知ってほしいと領事が言っていて、もっとヨルダン映画観てみたくなりました。
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