ノラネコの呑んで観るシネマ

独裁者と小さな孫のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)
4.6
ある国で革命が勃発し、老いた独裁者と孫が逃亡者となる。
彼は何処へ行っても、自分がいかに国民に憎まれてるのかを突きつけられる事になる。
面白いしリアルだなと思ったのは、この人個々の犠牲者に同情はしても、後悔や改心したりは全然してない事。
むしろ、失敗の原因は掴んだから次こそ必ず成功するとばかりに、返り咲く気満々。
一方の革命は、武装勢力が相も変わらず復讐と殺戮と搾取を繰り返し、国はますます混沌の中に。
これは正しく、今世界のあちこちで実際に起こっている事の戯画的な再現だ。
ある意味「カンダハール」第二章が、より寓話的な世界観で、独裁者こそが感情移入の対象になっているのは、自らも国を追われ亡命者として人生を送る作者の「こうあって欲しい」という希望の反映なのかも知れない。
特に終盤はそう感じた。
未来に進むのに必要なのは、憎しみよりも、寛容と許し。
今、観るべき作品です。