独裁者と小さな孫の作品情報・感想・評価

「独裁者と小さな孫」に投稿された感想・評価

わこつ

わこつの感想・評価

4.7
軍事クーデターにより一夜にして失墜し追われる身となった暴虐な独裁者の男が、後継者である小さな孫を抱えて国外逃亡のため国境を目指すが、道行く先でその目に飛び込んでくるのは自らが元凶となって引き起こされた様々な悲劇の数々。
目も当てられないようなその多くの悲劇に男は嫌でも目を向けざるをえず、自身の罪や責任をまるでピストルのように胸に突きつけられていく。

男に手を引かれて共に旅をする小さな孫は純粋無垢そのもので、残酷さを引き立てるが同時に観客の癒やしにもなってくれる。
この小さな孫は産まれたらたまたま祖父が独裁者だったというだけで何の罪もないけど、家族も財産も何もかも独裁者に奪われた市民からすればそんなのはどうでもよく、祖父と共に容赦なくヘイトをぶつけられる事となるが…決して胸糞エンドではないとだけ言っておきたい。

作品のテーマは「憎しみの連鎖」と「風見鶏的な国民の性格への警鐘」であり、劇中で起こる悲劇もただの悲劇ではなくて、実はこのテーマがしっかり織り交ぜられているような気がした。
物語の舞台は架空の国だけどその中で起こっている出来事は物凄く現実的な出来事であり決してフィクションではない。
果たして自分の信じる正義の為に自分の命を差し出せる人はこの世にどれくらい居るんだろうか。

監督自身が若かりし頃は革命運動に明け暮れて海外亡命後にもつい数年前まで祖国の政府から何度も暗殺者を送り込まれていた事を思うと劇中のセリフの一つ一つにはどこか説得力がある。
余談だけど昔タリバンがアフガニスタンの仏像を爆破した時に「仏像は恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」という有名な言葉を語ったのはこの監督らしいです。

色々考えさせられる良作の社会派ロードムービーでした。
孫がかわいい。
なつん

なつんの感想・評価

3.8
めちゃくちゃ切ない。
逃走を続けながら、でも彼は、そういえば、自分の死を覚悟していたというか、復権したら、みたいなことを言わなかった。
逃走を続ける中で、何を思うようになってたんだろう。

独裁者は決して善にはならないとは思うけれど。
クーデターの皮を被って好き放題する兵士達の方が、市民たちの方が、よっぽど恐ろしい気がした。

独裁者と小さな孫記録
non

nonの感想・評価

3.5
【2017年レビュー】
大統領とその孫がクーデターによって追われる身となり、身を隠しながら逃避行する。途中、大統領は自身の独裁政治と反政府勢力への厳しい制裁などにより苦しめられてきた人々と遭遇し、最終的には取り囲まれて捕まってしまう。ある意味自業自得なのに孫役の子が可愛いかったり、息子夫婦を殺されていたりと複雑。結局、この逃避行は何のためだったのか。孫を守るため?しかし、この大統領、前半と後半では全く別人ではないですか?こんなに忍耐と思いやりがある人が何故独裁政治を…って思ってしまった。でも、きっと、そういう環境にいたらそうなってしまうのでしょうね。怖いですね。ラストの「踊らせておけ。」の解釈が難しいです。本当の意味の民主主義とは。やられたらやり返すという負の連鎖を断ち切るためには。熟考。
HAY

HAYの感想・評価

3.0
「今後は陛下でいい」

本意。
TAKA

TAKAの感想・評価

3.5
クーデターを起こされて、逃げ回っていてもいつかまた政権を取り戻せると信じているのはなんとも言えない。孫には罪はないが国民にしたら殺された者としたら孫であっても許せないよな。

7x47

7x47の感想・評価

3.0
内容としてはよいと思うけれど、どこか物足りなさを感じた
特に前半、あれこれドキュメンタリー?ってなった

このレビューはネタバレを含みます

TUTAYAレンタル
巣で見つけたウズラの卵を手にし
人間らしい笑みを浮かべる権力を失った者とその孫。
追い込まれる境遇
民衆と交わる中、痛感する人々の痛み
少しずつ変化を遂げてゆく独裁者の表情
目で物語る彼に瞳に息が詰まりそうになってくる。
現実を直視し未来を見る人、過去に囚われる民衆の怒り
潮風に舞う赤いチーフ、奏でられる音楽
「サイクリスト」も良かったので監督の他作品も観たい。
>|