しげのかいり

サーカスのしげのかいりのレビュー・感想・評価

サーカス(1928年製作の映画)
3.9
初めてチャップリンが面白いと思った。冒頭に出てくる鏡のショットは秀逸。そしてラストの幌馬車のようなサーカス団の大移動に感動。ヒロインを座組に帰らせるため自分が買った「指輪」を綱渡り師に渡し、結婚させようとする放浪者=チャップリンの姿。団長の暴力に悲しんでいた彼女の問題もこれで解決するわけだが、しかし放浪者だけが仲に入ることができない。人を笑わせるが故に、自らが間抜けたろうとする屹立した「個」がここでは描かれていて、そこに圧倒された。