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ザ・トライブのレクのレビュー・感想・評価

ザ・トライブ(2014年製作の映画)
4.0
全編手話のみで描かれる異色のドラマ。
字幕すらなくニュアンスでしか汲み取れないので、彼ら若者たちの言葉ではなく感情を掬い上げるしかない。
言葉の代わりに可視化された動作、例えば殴る蹴るの暴力や愛を伝えるためのセックスでさえも彼らにとってはある種の言語であり表現のひとつなのかもしれない。

それは裏を返せば、愛と憎しみという普遍的な感情には言葉は要らないということでもあるが、聾だからこそ成立する映画だとも思った。
健常者が当たり前に使うコミュニケーションツールを排除するだけでこれほどまでに感情が表面化してくるとは…。
だからこそ、その映画には価値があるんだけれども。
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