さききち

ザ・トライブのさききちのレビュー・感想・評価

ザ・トライブ(2014年製作の映画)
2.9
「この映画の言語は手話である
字幕や吹替は存在しない」
(本編冒頭のテロップより)

『シェープ・オブ・ウォーター』の手話で以前から気になっていた本作を鑑賞。
BGMは一切なし。手話と自然音のみで展開する2時間12分。

目の前で交わされる会話。
通じないのは我々観客だけ。
まるで全く知らない外国語(字幕なし)で映画を観ているようで、世界への疎外感が凄まじい。

また、どのシーンもかなりの長回し。
ジェスチャーと表情から会話を推測しながらの鑑賞となるが、長回しにより冗長性が増大、より鑑賞者の孤独感は増す。

ろう者が「現実」で常に突きつけられている疎外感とコミュニケーションの辛さ。これを身を持って体感できる教材としての一面性もあるように感じる。

音が聞こえないことで起きる/増大することを上手く取り込んだ表現は上手い部分もあるが、2時間超の映画としては種々の疑問が残る。
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