『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』でのエミリー・ブラウニングはひとりロンドンへ旅立つ。自ら選び、望む場所が世界の中心だと信じていたから。
本作の語り手、ロンドンのイースト・エンドに住むフランシスもまた、自ら選び、望む場所が世界の中心だと信じていた。血で結ばれた運命を変えることはできないと気づくまでは。彼女は甘いキャンディポップの夢を捨て、二度と目覚めぬ永遠の夢へと旅立つ。
血に殉じた兄弟(トム・ハーディの神技的な二役。果物ナイフがもたらす象徴的な兄弟殺しの壮絶!)と、夢に殉じたひとりの女。
天は救わず、ただ自ら助くる者を助く。