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レジェンド 狂気の美学のYのレビュー・感想・評価

レジェンド 狂気の美学(2015年製作の映画)
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「ロンに何かあっても、2人は片割れでしょ?」とレジーに言った母の言葉がもう呪いだった。

足を引っ張られても、拒否されても、兄弟。「片割れ」という十字架に無意識に押し潰されそうになっているレジーもロンも、この不憫なバランスが魅力的だった。

世渡り上手でハンサムな兄レジーが不自由そうで、精神的に不調を抱えた同性愛者のロンの方が自由そうな描写が巧み。


「どうして殺した?」
—「お前の身代わりだ」
「お前は殺せないから」

このやり取りに全てが詰まってた。



レジーとのデート前に必ず勃発するフランシスとママの大喧嘩。外まで丸聞こえだけれどドアを開ければしっかり切り替えて出てくるフランシスが健気で可愛かった。


序盤、バーで兄弟二人揃って大暴れしたあとに酒を汲むシーンが好き。『キングスマン 』を思い出した。

ロンにベッタリのタロン・エガートンが、いつも「世の中をチョロいと思っている」ような薄っぺらい笑みを浮かべているのが良かった。ロンがステージで歌い、誰一人としてリアクションしない中でただ1人、馬鹿みたいにヘラヘラ笑っている演技が気色悪くて、でも愛嬌があって最高。
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