菩薩

永遠に君を愛すの菩薩のレビュー・感想・評価

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)
4.5
人は誰かを愛しその人と結ばれる為に結婚しそれを他人にも認知してもらうために結婚式を行うわけだが(たぶん)、この映画は途中から結婚式を行う為に婚姻届けを出す覚悟を決め、それから改めて互いの愛を誓うことになる、なんなのだこの逆転現象、要するに一発抜く為にAVを観ているつもりだったのに、いつからかAVが観たいが為に一発抜くようになってしまった過去の自分を思い出した。でも人間こんな形で動機と結果が逆転する事って良くあるような気がして、その最たる例が仕事だと思うんだけど、人って生きる為に仕事をして金を稼いで、それでなんとか生きていくはずなのに、仕事をするために生きる様になって、そして仕事が原因で死んでいく人がいる…。人はつくづく矛盾にまみれた生き物で、そんな人間をかなり高い位置から、それこそ神的視線から俯瞰的に見るこの濱口竜介の視線、となるとあの美術学生はそんな彼が地上に遣わした天使でしかありえない。秘密は作るのが悪いのか、隠すのが悪いのか、隠し通せなかったのが悪いのか、隠しているのを知りながらそれを暴くものが悪いのか、そもそも罪とはなんだ、幸せとは一体…。きっとこの「永遠」なんてのがそもそもの矛盾なのだ、この世に「永遠」と「絶対」なんてのは「絶対」存在しないし、「永遠」に誕生もしない、100%と書かれた果実ジュースだって本当にそれだけなのか?おっさんが100%の力で絞ってるだけなんじゃないか?死ぬために生きていくのか、生きたからこそ死ぬのか、人間の人生にそもそもの動機などというものが必要で無いのかもしれない、そしてたぶんこの作品の真のテーマは「笑え」だ。
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