ヒロ

永遠に君を愛すのヒロのレビュー・感想・評価

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)
4.0
『永遠に君を愛す』とこの世に存在しない“永遠”と“愛”の2つを孕んだ歪な、いやもはやマイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスになるような美麗なタイトルから想像に易い喜劇的な悲劇。この子の父親は宮本なのか拓馬なのかな「宮本から君へ」状態を呼び込んだ清楚系ビッチな花嫁は淫乱ヤリマン綾波レイと親族に罵られ、逆に花婿がこの子は淫乱じゃないんですと説得するというコントラプンクタスに爆笑必須、血を分かつ親族同士のまさに血で血を流す修羅場と化したチャペルに現れた救世主イエス様の使徒ボクシーのエゴイズムな暴走が更なる笑いを誘う。サイモン&ガーファンクルではなく賛美歌312番のハモリが響くなか、幸せな時も、困難な時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなる時も、死がふたりを分かつまで愛し、慈しみ、貞節を守ることをここに誓いますか???という馬鹿馬鹿しいまでの定型文が使徒ボクシーの口から垂れ流されるなかの嫌味なまでの皮肉なカット割り、そして誓いのキス。。。式を破壊するダスティンホフマンは現れず彼彼女らが心のどこかで望むこの支配からの卒業は儚くも散り、not the endの文字通り生き地獄は永遠に続くのだ。いや〜笑ったな、しかし。

《濱口竜介アーリーワークス》
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