CINEMAと暮らす

はじまりへの旅のCINEMAと暮らすのネタバレレビュー・内容・結末

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

精神病で入院する妻と離れ、森で暮らす夫のベンと6人の子供たち。原始的な狩猟生活と並行し、哲学、政治、外国語など、同年代とはかけ離れた高度な知識を本から学んでいる。
ある日、妻が自殺したこと、そしてベンは葬式へ参加させない旨を妻の父から伝えられる。
妻の遺言とはかけ離れた葬式をすることに反対するベンは子供たちとともにゲリラで葬式に参列し、妻の望む葬式のかたちを伝えるも、式場を追い出されてしまう。
そして、父と母が森で暮らすことで言い争っていたことを唯一聞いていた息子が祖父の家に行ってしまう。さらに彼を救い出そうとした娘のひとりが大怪我を負い、ベンは森で暮らすことが妻にとっても子供たちにとっても間違っていたと悟り、祖父に子供たちを預ける決意をし、別れを告げる。
行く宛の無い旅を始めたベンだったが、密かに車に乗り込んでいた子どもたちが母親の望む葬式を叶える任務"パパとママを救え"を開始。
再び集まった子どもたちとともに妻を墓から掘り起こし、火葬したうえで、トイレに遺灰を流した。
長男のボウドヴァンはナミビアへ、残った子どもたちは父とともに学校へ通いながら自給自足の生活を送るのだった。

選択の自由が如何に大切かを学べる作品。

人それぞれ信念があり、自由権がある。
結果的にベンのとってきた教育方針は一長一短だが、核になるのは子ども達に選択権を与えているかどうかだ。
たしかに子どもたちは同年代を圧倒する知力と体力を得ていたが、人間は社会的な生き物なので、そこに適合する能力も少なからず必要になる。
バランスの取れた教育をしたうえで、選択権を与えて「好き」を活かすことの重要性に気付かされる。