さめ

はじまりへの旅のさめのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
3.5
ヴィゴモーテンセンのファミリーロードムービー、ということで観賞!

なにが普通?なにが真理でなにか偽り?

ひとつの家族が、最愛のママという存在を失って、挫折と迷いの中、それを模索していくその過程を通して、見る人にも「自分ならどう?」と自然に考えてしまうような映画でした

さすがヴィゴモーテンセン
アメリカ産業社会からの搾取から離れ、森で徹底した自給自足生活をする大家族の長、っていう、つまり偏屈屈強オヤジを演じても渋くてカッコイイ!
また子供がかわいい。天使レベル。
アナーキストも子供だとかわいいんだな…

俗世間から浮いた家族でも、その家族なりのルールでまわってて、そのルールもちゃんと理由がある(私達が目を背けてる都合悪いことだったり)
そしてふつうの家族となんら変わらず、家族みんながママを愛してる。
その辺りの描き方が絶妙でした。

ヴィゴモーテンセンが、今は亡き最愛の妻を見る(会う)まどろみのシーンの、美しく満たされて、だからこそなんて悲しいこと。

家族のお葬式のシーンは素晴らしかった。
ママ自身の魂の供養でもあり、遺された家族のひとつの心の区切りでもあり。

肉親を亡くした人はぜひ見てほしいと思う。
ロック好きもぜひ。随所に出てくる書物も。
さめ

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