くろねこヤマ子

はじまりへの旅のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
3.7
山の中で暮らしていた
父と子たちが
母の死をきっかけに山を降り
変化がはじまる物語。

監督自身の
子どもをどう育てるか、
親としての悩み。
それがこの作品の原点。(らしい)

うん、それが凄く伝わった。

憧れる人も多いはず。
自給自足し、体を鍛え、本を読み、
時に歌を歌い、自然とともに生きる。

その中で自分の頭で考えることを
教え込まれている子どもたち。
それはそれはとても素晴らしく。

同時に世俗を離れた暮らしは
実社会とのギャップもあって、
異なる世界をどれ程受け入れられるかを
何となく試されてる感もある。

そうして父親は気づかされる。
自分が正しいという思い込みの危うさを。

子供を社会で生き抜けるようにする事は
親の務めであることは確かなんだけど、

じゃあその術をどう提供するよ?
子育てする全ての親に問う、みたいな。

んー。難問。
自問自答の繰り返し。

自らを否定することは大きな痛みが伴う。
けれど、それもまた人生。
考えてやり直す、その勇気。

子どもたちが揃いも揃って
雰囲気ありの可愛さなのと、
お洋服や彩る小道具たちもセンスいい。

チョムスキーが好きなら
MITに行けば良いのにって思うあたり、
わたしはまだまだダメ人間♪