MARUKO

はじまりへの旅のMARUKOのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.7
どちらがより人間らしいか、みたいなことが問われる作品かと思ってたらそうではなかった。

その生き方は純粋さゆえの選択肢の1つだった。その弊害には彼らの遮断された思想の中にいては気づかない。

世間との切り離されて事実のもと淡々と生きる家族。文献をそのまま吸収し彼らの中で極端になった権利。武器をもち、狩りをする。常識はずれでであることに気づいていたのは10年前森に入ることを経験した者だけ(彼はたまたま聞いたけど)。

世間に出たことで間違いに気づく者とのすれ違いが起こる。故意じゃない、愛しているから行きすぎてしまっただけ。そして愛しているからその間違いを受け入れられる。
こんな脚本よく思い付くなと驚いた。終止興味津々で見入ってしまった。

お父さんが妻のためにこの生活を正しいと信じて必死に貫いたこと、それを分かっていてもその生活を続けたあの二人、それすら知らず生きていたのに突然現実を知る子供たち、この家族の様子が切なくて心苦しくなる。
今まで見たことないような独特な作品だが、とても好き。
MARUKO

MARUKO