ブラックユーモアホフマン

はじまりへの旅のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.5
設定がとても独創的で、でもディテールの描き込みが丁寧なので説得力がある。森をひとたび出れば現実世界でのドラマが展開されて、ファンタジーとリアルが地続きに共存しているような世界観が面白かった。カルチャーギャップがギャグになりしかも辛辣な批判にもなるという点も含め『ワンダーウーマン』と似てる。でも本作の主人公たちは神様じゃなく人間で、人間らしく悩み変化し成長する。
とにかくルックが常に美しい。美術や衣装も使った色彩設計が素晴らしくて、全編がパーフェクトショットの連続。眼福。
俳優陣も皆とても良い。ビッグダディ的なヴィゴもすんなり受け入れられる。
義姉夫婦の家に泊まらせてもらうシーンから葬式に殴り込んでスピーチするシーンまでは、単純に森の一家が正しい、世間がおかしい、だったけどそれから先で、世間も正しい、一家もおかしい、に逆転していって、それで家族はどうするのか、という話が結末になる。
設定に対してすごく真摯に考え抜かれていて、それが衣装や美術にも現れてる、良い映画だなあ、と思いました。