わたふぁ

はじまりへの旅のわたふぁのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
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朝は瞑想から。基礎体力づくりや、護身術、崖でのボルダリング訓練をして日中を過ごし、夜は焚き火でカラマーゾフなどを読む。6ヶ国語が話せる。音楽は自然発生的に演奏する。食べ物はもちろん自給自足。そんな1父6兄妹の物語。

幼稚園〜高校までの年齢の子どもだけど、みんな世界情勢や歴史、宗教などの知識量が半端じゃない。すでに自分で導いた哲学があり、信仰や主義の対象も明確に持っている。生命力に満ち溢れているし、洞察力や集中力もすごい。

そんなハイスペック・ファミリーの長である父親は、軟弱な現代人から見たら超人である。人間離れした存在。彼は、子供たちを俗世間から乖離した場所で、人間力に満ちた大人へと育て上げようとしている。しかし、、というお話。

映画は過剰だが、中学生棋士・藤井四段の受けた教育法としても話題になったモンテッソーリ教育に近いものがあるかもしれない。小さい頃から何でも経験させ、自立した人間を育てるという教育方針をもって、確かに素晴らしく優秀な人間を輩出している。GoogleやAmazonやWikipediaの創設者とか。

しかし教育に、これが正解ってものはきっとない。どの子にもフィットするとは限らない。この父親のように迷い無く盲目的に進める教育は、ある種危険かもしれない。

色々と考えさせられる映画だったけど、
なんにせよ、「自信」が大切だと思う。
一人の人間として「生きていける自信」を
子供たちに与えた、この父親は
やっぱりカッコイイと思う。
偏っているかもしれないけど、
自信があるから、踏ん張れるよ、この子たち。

作り物の綺麗事かもしれないけど、
こんなふうに密接にスキンシップを取りながら、存在をすごく近くに感じながら互いに成長し合える親子って、すてきだ。尊敬する。