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はじまりへの旅のmegukadoのネタバレレビュー・内容・結末

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

親になったら、もう一度見たい。土曜の夜に家族で見る映画にちょうどいい。

自分の哲学を一筋貫いてきた父親と、その哲学のもと人里離れた森で逞しく暮らす6人の子供たち、その母親。彼らの哲学についていけない一般家庭の妹家族、母親の両親。

喧嘩やすれ違いはあれど、相手を人として尊重する根源的な愛情は、登場する全員が持っているように感じられる。加えて親族たちは、母親その人を愛する気持ちと亡くした喪失感も共通している。どれだけ個人の哲学が違えど、土台にある大切なものが一緒であることは、みんなお互いにわかっているような世界だった。折り合いの悪い義父も、キャンプ場で長男が出会う母娘でさえ。
この、出てくる全員が愛情ある人だという点で、ファミリー映画にいいなと思った。

父親と子供たちが、これから自分たちが挑戦する未来へ盛り上がったり、音楽を奏でたりして団結する瞬間がいくつかあって、(団結する、というよりはもっと無意識な流れのようなもの)それが嬉しくなるほど美しい。

また、長男について比較的表現が多くて、勢い余った求婚や父親への説得など賢さと若さを併せ持った青年にくすりとしながら好印象。
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