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はじまりへの旅のhitomiのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.8
ずーっと気になっていて、やっと観れました。イメージとは全く違ったけれど、すごく好きな作品の1つになった。

わたしが感じている世間や社会への矛盾が見事に描かれている作品…!これこれ。分かるなあ

学校に通って社会に出て、「普通の生活」をすることの意義に疑問を感じるの、すごくよく分かる。だってそれって人生の本質ではないもの。いい学校に通っていい成績をとっていい会社に入る。それになんの意味がある?
とはいえ、彼らのように「普通の生活」からかけ離れてそれを追い求めることも正しいのか分からない。
何が正解かなんてないのかもしれないけど、つい考えてしまう。人間の生活の本質からかけ離れてしまった現代で、本質を貫くとは正なのか。そもそも人間の生活における本質とは何なのか。
答えはないのかもしれない。

この作品からも分かるように、結局わたし達は現代社会から逃れられない。法や権力は絶対であるし、マジョリティーから外れたものは変人だ。本質を追いかけ、変人でいること、マイノリティーでいることに価値はあるのか。
きっとお父さんも、それを考えてのラストなのでは。常に子どもたちの幸せを考える姿はとても素敵で印象的で、感動的でした。

すごく好きな作品。
自然も美しくて、観ていて癒される。

余談ですが、わたしも中学生の頃に国語の教師から「面白い」を使わずに感想を書くように言われていました。その時もその難しさを感じたけれど、まさかここでそれを観れるとは。
彼の育て方はどれも論理的で実用性がある。自分の言葉で表現することや議論をすること、自分の意見を聞いてもらえる場があることの大切さを行動で示していて、本当にすごいと思いました。極端ではあったけれど、わたしは素晴らしいと思う。
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