MikiSato

はじまりへの旅のMikiSatoのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
5.0
エンディングがI shall be releasedで驚いた。Any day now(邦題「チョコレートドーナツ」)と同じ。ボブディランの曲。

熊野の山の中でほぼ自給自足の生活をしながら、子どもたちは近くのフリースクールに通っている人とか、鹿児島の小さな島でゲストハウスを営んでいるご夫婦とか、素敵な暮らしだと思いつつ、子どもたちへの影響についてはどうなんだろうかと考えたり。
一方で、小学校に行き、中学校に行く義務教育というものは、果たして必要なのだろうか、ということを考えたり。
でも、私を含め義務教育への疑問を抱いている人の多くは、義務教育を経験している人たちであって、義務教育というある種の基礎、前提の価値観のようなものがあるから、その上で、義務教育とはまた別の比較対象を考えられるんだろうなと思ったり。

映画を観て1つ思ったことは、学校というのは、社会の中で、人間がつくりだした社会の中で生きていくための、人間関係の構築の仕方を学ぶ場所であるということ。
人間関係の構築の仕方を学ぶということは、自分自身が生きやすくなるということ。
それを学ぶためには、義務教育は必要なんだろうな、と思った。

けれども、家族の森の中での暮らしを見ていて、とてもわくわくした。
生きるための食糧を確保するために体を鍛えて、命をいただいて、体だけではなく頭も鍛えて。
焚き火を囲んでの読書から、音を鳴らしてメロディーになるシーンは、なんて素敵なんだ!と思った。
既存のものをなぞるのではなく、自らつくりだす。
自分の頭で考えて、自発的に行動する。
誰かに言われないと動けない、正解/不正解を気にする、とは真逆。
生きている!という感じ。

クライミングとか、食料奪取作戦(ただの盗みw)とかはちょっとやりすぎだなと思ったけれども。

大事なのは、自分の頭で考えて、自分で決められるということ。そしてその決断に責任を持てるということ。

自分は、自発的に動けているだろうか。与えられたものの中で小さくなっていないだろうか。生きている!と感じているだろうか。

またひとつ、良い映画に出会えました。