しめじろー

はじまりへの旅のしめじろーのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
3.2
すみませんだめでした。前半が…。後半は好きですが、後半のカタルシスを得るためとはいえ前半が長すぎる…。相性が悪かったみたいです。

コメディってどこが…。全然笑えません。父親が教えているのは1人で生きていく方法で、社会で生きていく方法じゃありません。そして人は1人で生きていけません。いや、あの森の暮らしが悪いという話ではなく、望むならそう暮らしたらいいですが、それはいくつかの選択肢があってそこから自分で選んだ結果であるべきです。押し付けられる政治的思想も、完全に犯罪なミッションとやらも嫌悪感。こんなの虐待じゃん…。割と早い段階で欠陥が描かれるので、この家族が全然好きになれません。前半はイライラしっぱなしでした。
はじまりへの旅、というわけで、スタートラインに立つまでを描くわけですが、上記の通りスタートラインは早くからわかっているため、はよ立てや!!とフラストレーション溜まります。はよオッサン痛い目にあってくれ〜。なので後半、家族の中に不穏な空気が生まれると、そこからは急激にテンションが上がり、物語も面白くなってくるのでした。母の死の経緯だったり、母の思いが明かされるところなんかは驚きもあります。
わかっていたところに確実に着地するラストも良いです。何事もバランスが大事ということですな。しかし前半が長すぎたな…。あの閉鎖的な生活の魅力が全然なくてな…。

私は親にたくさん選択肢を与えてもらったから…。新聞も複数紙を読めって教わったし、お稽古ごとも将来の仕事の選択を広げるものにしてくれた。私に子供ができたら同じようにしたいから…。なんか本当に前半が許せなかったんです。そんな感じです…