Automne

はじまりへの旅のAutomneのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.2
超自然の中で生活しているファミリーが外の世界へ出てゆく話。印象としては家出物語の逆、ある種の里帰り的な隠喩があるような気がする。
昨今シリコンバレーで流行りの、ヒッピーカルチャーからの発展、meditationを重んじて狩猟採取、自然との一体化をファミリー単位で行なっているちょっと不思議な家族。
たしかに現代人と比べれば超人的なところもあるし、頭も良い。都会のビジネスパーソンはともすればこんなセカンドライフを送りたいという夢があるような気がする。
母親の死、という共同体の儀礼に即して街へ出てゆくわけだが、そこでの文化の違い、盛りだくさんの現代風刺のギャグにはふふふと笑みが溢れてしまいます。
この映画の良いところは、現代=悪、自然=善と決めつけているように見えて、いまを生きるには必ずどこかでそういう忌み嫌っている社会と関わらなければならないことを教えてくれるところです。
構図はドラマ的でイマイチでしたが、そこに通う精神は気になる作品でした。
Automne

Automne