Renkon

hide ALIVE THE MOVIE hide Indian Summer Special 2015 EditionのRenkonのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

(@シネマート新宿/2015.2.24)

独創、幻想、蠱惑的。
X JAPANのギタリストとしてヴィジュアル系の礎を築いたhideのソロプロジェクトは、ジャンルに捉われぬ多面的な楽曲性を孕んだ。
そんな彼がソロ第二弾として放ったアルバム「Science」を軸にしたツアーは、ひたすらアヴァンギャルドで、それでいてエンターテイメント性に富んだ芸術作品として仕上がっている。
防護服を脱いでの登場シーンから(メンバー衣装のハイセンスっぷり)矢継ぎ早に放たれるPose、Bacteria。
そしてBeauty&stupid→限界破裂の流れには新参ファンのオイラも大興奮だった。(MCや演出が時々清順ワールドっぽいなと思った)
彼の音楽はROCKとかPUNKという言葉ではとても形容できない。
その独創的な世界観は唯一無二のものなのだ。
今作でそれを特に感じたのがHi-Hoのトロピカル感。ダンサンブルな常夏ムードで、千葉マリンをジャングルにも変えてみせていた。(勿論LEMOned I Screamも大好き)
最後の大名行列からの、砂浜でのHi-Ho→Good Bye、打ち上がる花火。
そして他公演で見せるラストのTELL MEまで。大満足の約2時間だった。

最後にもう少し。
今作はhideのライブビューイング作品であり、90年代の音楽カルチャーをパッケージした、アーカイブ的位置づけでもあると思う。
僕もお袋がGLAYを大好きだった影響で、幼い頃によくLIVEに連れてってもらったのだが(「てぇぇぇるぅぅぅぅ!!!」と横で雄叫びをあげるお袋が毎回怖かった)遠い記憶として眠っていた、夏の野外独特の汗のベタつきとか、火薬の匂いとか、熱狂感を思い出した。「それじゃ今の野外フェスと一緒じゃん!」と言われそうだが、これはもう全然違う。ただどうしても形容し難いのだ。しいていえばあの時代特有の"世紀末感"だろうか。

ライブビューイングなので涼しい顔して(むしろシネマートの冷房が寒い)ゆったり座って見れるのはいいのだが、やっぱりあの熱狂の中で、そして生のhideを拝みたかったなぁというのが正直な願望。
あの時代、あの場所にいた人たちが単純に羨ましいっす。
初のドキュメンタリー作品だという「JUNK STORY」も今から楽しみにしてます。
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