こうん

クリード チャンプを継ぐ男のこうんのレビュー・感想・評価

4.5
“シュワ派”の僕は「ロッキー」第1作しか観たことがなかったので慌てて残るシリーズ5作を観て、初日初回に観てきました、「クリード」。
その「ロッキー」シリーズは、そのすべてにおいて脚本を手掛けているスタローンのその時々の映画人としての姿勢が反映されているので、嫌いになれるわけがなくどれもこれも愛おしい。「5」は「1」の次に面白い!と思ったけど、評判が悪くて(スタ自身も反省している)びっくり。「ロッキー」はボクシング映画である前に、“己の魂を燃やし続けることにのみ生きる意味を見出す男”の物語ですからね。あれでいいと思います。

…ということですっかり“スライ派”になって劇場に行ったら、タイトル出るまでの語りとタイミングにいきなり涙目。それからもう…泣きっぱなしだった。例のトランクスの登場に、涙を通り越して慟哭しそうになり、堪えてビクンビクンってなった。
あー、疲れた。こんなの「グラン・トリノ」以来。

語りたいことはいっぱいあるのだけど(ポーリーの話とか、その彼が住んでいた部屋にある写真の中のスライと幼い頃のセイジとか!)、本作はあくまでアドニス・ジョンソンの視点からの物語であることが良かった。
それはつまり、新鋭ライアン・クーグラーのまなざしであるということだ。
スタローンに全てを任せてもらったクーグラーの若々しさが存分に活かされ、“ロッキー魂”の継承者アドニスの物語としてきっちり貫かれていたし、またその姿勢というか、熱いラブコールに涙が止まらなかった。
「スタローン伯父貴、まだまだ引退させませんよ!一緒に映画作っていきましょうよ!」
…そういう映画である。
映画の中でも外でも、“継承”と“共闘”が高らかに、熱く熱く宣言されているのだ。

映画人スタローンが尊敬されるべき存在なのは間違いなく、その彼の包容力というものがまた新たな才能を開花させ、その才能によってまたスタローン自身が活かされている、という嬉しすぎる事態が、今スクリーンで展開されているのだ。
これを映画館で観ないでどうするの?