グラッデン

クリード チャンプを継ぐ男のグラッデンのレビュー・感想・評価

4.0
私は、本作について、主人公・アドニスとロッキーの2人の人物における「継承」という部分に注目して鑑賞を進めた。

アドニスは、父親・アポロと同様にボクシングの魅力に引き寄せられ、次第にその情熱に傾けていく。

同時に、彼は偉大なチャンプである父親の存在を背負うことに葛藤を続ける。ただし、父親に対する拒否反応ではなく、ボクサーとして尊敬する存在であるとともに、自分の生い立ちに対する負い目を感じ、名前を継承することに対する重みを理解しているからだ。

そうした思いを経たアドニスの継承というプロセスは、本作を考えていくうえで非常に重要なポイントであったと思う。

一方、ロッキーにおける「継承」は、より幅広い意味で考えることができる。

『ロッキー』シリーズは、ロッキー・バルボアというボクサーの戦いと、ボクシングを通じた人々の出会いと別れを描いてきた作品だと私は考える。

その中で、最も大きい存在であったのは、まさにアポロであったと思う。本作『クリード』において、ロッキー自身も述べているが、アポロは彼の戦友であると同時に、ミッキーというかけがえのない存在を失ったロッキーを再起させた恩人でもあったからだ。

『クリード』は、最愛の妻・エイドリアンやポーリーがこの世を去ってしまったロッキーの新たな出会いの物語であり、異なるかたちでの新たな戦いの作品であったと思う。

そして、彼がかつて師事したミッキーやアポロが担ってきた立場で主人公・アドニスに向き合っている。チャンプを倒してチャンプと呼ばれた男が、チャンプを継ぐ男への継承を行っているのである。

本作の鑑賞を終えた直後、私の頭の中には「7」と「1」という数字が思い浮かんだ。

「7」とは『ロッキー』7つ目となる作品であることを感じ、
「1」とは『クリード』が今後も続く可能性を感じたからだ。

個人的には、継承されたアドニスとロッキーの物語の続きを見たいと思っている。