しゃにむ

クリード チャンプを継ぐ男のしゃにむのレビュー・感想・評価

5.0
「オレはこの試合で証明する。オレは『過ち』ではないと」

<KFC世界フライドチキン級タイトルマッチ>
◯アドニス・クリード(王者 米国)
vs ✖️シャニム・ザ・ブッチャー(小結 日本)
結果 不戦勝
→シャニム選手はリングに上がる際にバナナの皮を踏み意識鮮明の軽傷。まけぼのと揶揄される醜態を晒し精神病院に入院中。

〜〜独占インタビュー〜〜
「長く辛い闘いだった…クリード選手でしたか…彼こそチャンプですよ。きっと天国でアポロも喜んでいると思いますよ。彼のような偉大な選手と闘えて光栄に思います」


完膚なきまでKOです…完敗です(つД`)
ゴングが鳴るまで勝敗は分かりません。勝負事に奇跡は往々に起こります。それは神のみぞ知る領域です。まさか年末に1年分の感動を打ち負かす感動に出会うとは…神でも髪でもない自分にどうしてわかりましょうか?

ロッキーを劇場で観るのは午前10時の映画祭で劇場で観た以来です。リアルタイムで観た経験は今回が実質的に初めてでした。駆け出しの青臭い頃のスタローンとベテランで晩年に差し掛かったスタローン…ロッキーの歴史の始まりと終わりを劇場で…非常に感慨深い経験でした。ああ…光栄です(;ω;)

シリーズモノ玉突き事故年間の2015年で我がベスト作品入りにしたい。映画史に残る歴史的大作SWが独走か…と思いきや最後の最後にKO勝ちでした。勝利の要因は超個人な理由ですが「ロッキーだから」です。ぼくは人生哲学の多くを彼から学びました。理屈ではない。ズルい。でもロッキーだから。

あらすじ↓
アポロの遺児アドニスと永遠のチャンプ・ロッキーが二人三脚でチャンプを目指す。

・ジョーダンじゃないよ
→ ロッキーロッキーとバルスのように唱えていますが今作は「クリード」です。アポロのせがれが主人公であってロッキーは脇役に過ぎません。マイケル・B・ジョーダン。ジョーダンじゃないよ。あんたスゴい‼︎ 若いのに老舗「ロッキー」の看板の重みを物ともせずオリジナルの伝説を作り上げました。彼の身体は俳優がちょっと役作りで作りましたでてレベルではありません。ボクサーです。試合のシーンは映画だって忘れます。ムカつく世間に苦悩する若者の葛藤が痛ましい。すべてが忌々しくすべてが憎く…気がついたら彼に全身で共感していました。すべてにおいて見事です。これはクリードの映画だ。

・名乗れない「クリード」
→ 正確にはアドニスはアポロの正式な子どもではありません。愛人の子です。アポロの死後生まれ面識はありません。タフで頑丈な肉体はアポロが残した唯一遺産でした。負の遺産が大きかった。普通とは違う出生に苦しみます。マスコミに「アポロの汚点」と書き立てられることを恐れています。それ故プロボクサーとして闘うにしても「クリード」のリングネームは使いません。代わりにアポロ夫人の旧姓「ジョンソン」を名乗ります。受け継げないんですよ。名乗ってもチャンプになれなきゃツラ汚し呼ばわりです。偉大なチャンプの名前は重い。親父と同じ名前を名乗れないツラさは耐え難いでしょう。以後もクリードの呪縛に悩み続ける。七光りをバンバン利用する芸NO人に観せてやりたい(゚∀゚)

・ご隠居ロッキー
→ アドニスがYouTubeをプロジェクターで写してアポロVSロッキーの試合を見ながらボクシングの練習をするシーンがあってアポロと闘います。憎いのかな。自分にはボクシングしかないとフィラデルフィアに単身移り住んでロッキーに弟子入りします。レストランの名物オヤジとなったご隠居ロッキー。ファイナルより老けました。白髪でもうファイトする元気はさすがにない老け具合。時の流れを感じて切なくなります。自分はトレーナーなんてもうやらないと断りますが押しに弱い。やはりロッキーは一生涯ボクサーです。

→ ファンサービスもあります。ミッキーのジムはまだバリバリ健在。設備が一新されて綺麗です。悲しいかな…ファイナルで健在だったポーリーは天国に旅立ちました。律儀に墓参りに行く時に酒とバラ。酒はポーリーにバラはエイドリアンにたむけます。椅子に座って新聞を読み聞かせる姿は…うう。トレーナーとしてのロッキーはミッキー直伝のトレーニングをアドニスに叩き込みます。ニワトリキャッチ懐かしい。女は脚にくるって忠告も思わずニヤリ。ファンはニヤニヤです。

・2人の闘い
→ アドニスは世界チャンプと。ロッキーは重い病いと闘います。すっかり弱ってしまったロッキーは病との試合を諦めかけますがアドニスのひたむきな姿に熱い闘志を取り戻して二人三脚で試合に臨みます。人生いつまでも試合です。闘いです。胸アツです。

・怖い試合
→ ロッキーはがむしゃらに闘えば勝ち目はあると安直に観ていられましたがクリードでは試合がリアルに描かれます。シリーズ随一のパンチの恐怖。めちゃくちゃ重い。パンチの音でシートが揺れました。痛いです。自分までボコボコ殴られたような痛み。気を抜いたら負ける恐怖…次の瞬間自分はマットに沈んでいるのではないか…ハラハラというか絶望感と背中合わせの試合です。負けたら終わりです。人生をシリアスに描いたような…だからこそ奮い立った時の激情は並大抵のものでなく身体が震えて仕方ありません( ゚Д゚)

・自分だけの伝説を作りなさい
→ 世界チャンプとの試合は「クリード」のリングネームで臨むことになります。しかし世間は残酷です。アドニスをロクに知りもしないで、七光り、一発屋、シンデレラボーイ、とアドニスをあざ笑います。観ていてめちゃくちゃ腹が立ちます。対戦相手のチャンプがこれまた煽ってくるムカつく野郎。そうだ、アドニス、父親が誰だろうが、君は君だけの伝説を作ればいい。試合のシーンになった時にこのイライラが起爆剤になります。

・おれは証明する。おれは過ちじゃない
→ かつて無名ボクサーだったロッキーも試合を己の証明に見立てていました。ロッキーはただのチンピラじゃないと証明を。アドニスは己の人生そのものを。アドニスはロッキーの魂を受け継いでいると感じました。

→ 試合は胸アツの連続です。1作目でアポロが着用していた星条旗のトランクス。クリードの名前入り。アドニスが親父アポロとそっくりのトランクスと名前を身につけてチャンプを目指します。ああ…ハンケチ…

→さらに最終ラウンドにチャンプに叩きのめされリングに沈んだ刹那、フラッシュバックするこれまでの日々…出会った人々との思い出…そして最後に一瞬だけカットインしたのはアポロ…‼︎ アドニスは立ち上がります。懐かしのロッキーのテーマが流れます。こんなん泣くに決まっとるやん。ヤバいッス。シートを立ち上がって応援しました。1作目と同じ体験をしました。チャンプですよ。今年最後にして最高の劇場体験でした( ;∀;)

言うことなしです。ファンの方は是非。

目下圧倒的惨めかつ珍妙な失恋全敗記録を更新し続けダーウィンアワード最有力候補と噂される自分はこのまま突き進みます。自分だけの伝説を作るのだ…‼︎ その前にどなたかぼくのエイドリアンに立候補を(自害)