まつき

クリード チャンプを継ぐ男のまつきのレビュー・感想・評価

4.6
泣いた。顔を歪ませて泣いた。鼻水を垂らして泣いた。本作単体でも、熱い熱い素晴らしい作品だけど、ロッキーの約40年の歴史はあまりにも重く、その歴史がさらにこの作品を熱く熱く熱く熱いものにしていた。

ロッキーシリーズを知った上で、この作品に感じたのは、「作り物ではない」かのようなパワー。ロッキーの世界や歴史が、スクリーンの奥にもう一つの現実のごとく広がっているように感じた。

そして自分はロッキーと同じ記憶を共有しており、もう1人の自分の人生のように、脳内に焼きついていた。

スクリーンで展開される世界と、自分の脳内の記憶がリンクするたび、自然と名シーンがフラッシュバックし、時を超えた歴史の壮大さに、訳も分からず泣いてしまった。

本作を観るために、この1週間、ロッキーを勉強して本当に良かった。5とファイナルだけ間に合わなかったのが心残り…。

しかしロッキーの歴史は、この作品を楽しむ上でのサブアイテムに過ぎない。主人公は、ロッキー・バルボアのかつての親友アポロの息子、アドニスだ。

「王者アポロの息子」であることはアドニスを苦しめる。ファイターの血を継いだアドニスは、闘争本能むき出しの若者だ。戦いたくて仕方がない。しかし、「王者の息子」という目で見られるのはプレッシャーであり、また、親の七光りという偏見にもつながりかねない。自分の成長にとっての大きな壁であった。

やがて、アドニスが、プロとして戦うことを選び、ロッキーと出会い、ロッキーに教えを請い、ファイターとして、人間として、大きく成長していく。周りの人間にも影響を与えていく。

そしてロッキーシリーズお馴染みの、ボクシングの試合のクライマックス。アドニスが背負っているもの、ロッキーが背負っているもの、いろんなものがまぜこぜになって爆発する瞬間、もう涙せずにはいられなかった。

人間ドラマだけでなく、ボクシングの試合のカメラワークも大迫力。カメラが、戦う2人の周りをぐるぐる回りながら近距離で撮っており、それぞれの肩越しのアングルの臨場感がすごい。ぜひ映画館の大画面で!音の迫力も!