Nekubo

クリード チャンプを継ぐ男のNekuboのレビュー・感想・評価

5.0
私事ですが、2016年の「映画始め」が本作になりました。

本作は『ロッキー』シリーズの第7作目。ロッキーの初対戦相手であり永遠のライバルである、今は亡きアポロ・クリードの息子をロッキーが鍛え上げるというプロット。シリーズのファンにはこのプロットだけで泣けてしまうのだけど、実際はそれ以上の出来だった。

一見ありがちな師弟物のドラマであるようには思えるのだけど、その中に「アポロ・クリードの息子」というレッテルを背負ってはいるが…というアドニスの葛藤があり、どちらかといえばそれがメイン。アドニスの生きてきた環境、出生に関する彼の立場がクライマックスの試合、そして最終ラウンドに活きてくる。また、ロッキー自身にも「戦い」があり、中盤あたりから師弟関係ではなく二人三脚のドラマになっていくのはとても上手いと思った。二人三脚が成り立つのは、やはりアポロ・クリードの存在があってこそというのものね。『ロッキー3』でクラバーに打ちのめされ、ボクシングを諦めかけたロッキーを救ったのがアポロだったように、その息子アドニスも同じようにロッキーを救うという…。何度思い出しても泣けてきます。

そう。今回ばかりは終始涙が止まらなくて本当に困った映画でした。

特に最後の試合はアクションとしてもドラマとしてもシリーズ屈指の出来栄え。いや、アクションだけならばあの臨場感とスピード感はボクシング映画の新しい流れを作るんじゃないかというくらいには素晴らしいものを観ることができた。

さて、最後の試合の何がそんなに泣けたのかといえば…

やはり、試合前にある人物から届いた贈り物の中身と、最終ラウンド前のアドニスの一言がもう「観客殺し」!どちらの場面も不意を突いてくるので、久しぶりに我慢する間もなく泣かされた感じです。

シリーズの続編でありながら、スピンオフ作品としても完璧な映画。これまでのシリーズを観ていなくても全然楽しめるのでオススメです。個人的には『ロッキー』『ロッキー3』『ロッキー4』あたりを押さえてから観るとより一層楽しめると思います。