Goach

クリード チャンプを継ぐ男のGoachのレビュー・感想・評価

3.2


ロッキーシリーズ初鑑賞。
ロッキーのライバルであり伝説のボクサー アポロの子供が本作の主人公。偉大すぎる父の名前は使わずに、ボクサーとして生きることを決め、父の最大のライバル ロッキーがコーチにつくという、映画の"設定"の部分で最高な作品。

「偉大すぎる父を持つ二世の葛藤」が本作のメインテーマ。

伝説を築いた父と同じボクサーになる決断をしてから、父の名前を使い周りの目が一変する。自分は何も変わっていないのに変わる世界に、苦しむ主人公。彼が感じる閉塞感には、どこか今の時代が反映されているような気がしました。日本だと、東京オリンピックがそれ。かつては高度経済成長の象徴だったけど、いま日本で開催する意味はなんだろう。みたいに自分ではない過去の幻影に苦しめられる主人公が、どこか他人事には思えませんでした。

クリード自身の心境に観客もどっぷり浸からせるためか、彼と同じ視点もしくは彼のすぐ横から撮影されたシーンが多いのが印象的でした。徐々に徐々に、ボルテージが最高潮になるように奮い立つ演出は良かった。

ロッキーシリーズ未視聴でも楽しめましたが、やっぱり全てを見ていたら感じるものも多いんでしょうね。シリーズを全部見た上で、再び見たいと思いました。
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