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クリード チャンプを継ぐ男のadagietteのレビュー・感想・評価

4.0
う〜ん、困った ....... 
これ、次世代ロッキーであり、たとえば歌舞伎みたいに、先代に劣らぬ出来栄え!的な喜びを多分に内包している作品、らしい。
観てないんよね、ロッキー。
スタローン作品、まったく観てない。。
フィリーのロッキー・ステップにも行かなかったし、ホント、この作品を楽しむための基礎力が、皆無。
宇多丸がことあるごとに推奨するので、2が公開になったのを機にみてみたけれど、うーん、やっぱりボクシング自体 興味わいたかというと...?

それでも脱落しないで観たのは、マイケル・B・ジョーダンの吸引力のおかげ? 大坂 ナオミ選手も好きだって言ってたが、ほんとにチャーミング。

そして話のシンプルさ。
こんな感じのよい、お堅い職場でキャリアを踏み出している青年が、なんでまた 過去のムズカシイ少年時代に戻るがごとくボクシング?という疑問を
"that I'm not a mistake.
の一言に載せて届けてしまう、そのシンプルさ。

チャンピョンであった父の顔を見たことがない、母は愛人であったらしい、そのことでしょっちゅう周囲を諍いを起こしてきて、今でもそこは悪しきヤル気スイッチのまんま。
その痛みや心もとなさを、自らボクサーになって、あの父の息子であることを世界に見せつけるんだ! うん、とってもアメリカンど根性だね!

ところで、ちょうど、SNS で小学校でやる自分史という課題への強い批判を目にしたばかり。みんなが同じではない、片親家庭、養子、幼いころの病、家族旅行の経験がない etc.
そういう事情を世間の前に絶対にさらけ出すべきではない、と考える人が日本人には多いが、アメリカ人はそうではないんだろうなぁ .........
どんな条件を背負っていようが、自分の存在価値は自分次第、それがアメリカ的精神か ........と、ぼんやり感じながら鑑賞したのでした。

p.s.
後日、そういえば宇多丸評どんなこと言ってたんだろう?と気になって探してみた。幸いネットにちゃんと残っていて......
"何もかもが終わってしまってから出てきた世代” が、いまさら?を超えた作品、だと。 youtube で過去の映像を観てそこに自分を重ねていく姿は、作品そのものを象徴している、と。
そうか!そうだったか!! あああ、宇多丸さま、おそれいりました!
たいして年違わないんだけど、なんかもう、彼我の差を感じたわ〜〜
>> 即、 CREED ll  に GO しましたわ。星も、つける!
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