ぎー

クリード チャンプを継ぐ男のぎーのレビュー・感想・評価

4.0
「俺は”過ち”じゃない。」
日本では大ヒットしなかったけど、『スター・ウォーズ』みたいに過去の名作の続編として駄作が公開されている中、稀に見る過去の名作のスピンオフ続編映画だった!
というか、下手したら本編を超えている。
本当に良かった。

ストーリーは滅茶苦茶分かりやすい。
ザ・王道といった感じ。
言うならば、ロッキー版アベンジャーズ。
アポロの息子がロッキーのトレーニングで成長していく。
少年ジャンプの主人公みたいな生い立ち、成長の仕方。
ロサンゼルスでどうしてジムに受け入れて貰えないのかだけは腑に落ちなかったけど。。

スタローンの貫禄はやっぱりエグいね。
オーラが凄すぎる!
原作を踏襲したようなトレーニング方法も原作ファンにはたまらなかったのでは。
精肉工場こそ出てこなかったけど、早朝ランニングとか生卵とか。
絶妙なバランスでリスペクトが感じられた。
やり過ぎるとウザくなることをよく分かっていると思った。

ボクシングの試合描写のリアリティも格段に上がったと思う。
ミッキーの息子と戦うデビュー戦なんかは、勝てるかどうか分からないハラハラ感が滅茶苦茶あった。

憎いのは、原作ファンの心に訴えかける、ロッキーの癌との戦いというサブストーリーがきちんと用意されていること。
流石にロッキーはボクシングの試合を今更闘うことは出来ない。
でも、闘いはリングの上だけじゃない。
人生100年時代。
生きがいは色々なところにあるし、闘い方も様々。
とっても素敵だった。

1番印象に残っているシーンは、もちろん現チャンピオンコンランとの試合、特に致命的なダウンから立ち直る場面。
この場面でこのレビュー冒頭の名言が飛び出す。
裕福な生活を捨ててどうしてクリードがボクシングに身を投じたか、明らかになる。
そして、映画を見ている世界中の人々が待ち望んでいたロッキーのテーマのファンファーレが鳴り響く。
そこまでロッキーシリーズファンでもない僕でも感動してしまったから、ファンの人達にとっては大変な場面になったと思う。

歌手のビアンカとの恋愛、試合のスコアでは負けたけど個人的な心情の闘いには勝利するなど、原作へのオマージュがとにかく感じられる一作だった。
『ロッキー』を見た事がある全員にお勧めできる、本当によくできた現代版『ロッキー』だった!

◆備忘ストーリー
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/クリード_チャンプを継ぐ男
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