こうん

エイリアン:コヴェナントのこうんのレビュー・感想・評価

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
3.6
ゾンビが、いつの間にか病原菌に冒され凶暴化した人々…という設定になった時がっかりしたように、“完璧な有機体”であるエイリアンのオリジンをつまびらかにされても、なんか興醒めなんです。
なんすか、あの砂鉄みたいな胞子みたいなやつ。

基本的にはホラーですから、おちゃらけた男女が人里離れたところでウェイウェイやって怖い目に遭う…という定型を忠実に守っていて、そこはやっぱり頬が緩んでしまうのだけど、でもやっぱり「エイリアン」なので、長年のエイリアン好き者としては複雑な想いを抱かずにはいられない。
僕は「エイリアン」を作ったオリジネーターたち、特にオバノンさんを敬愛しているんだけど、リドスコは伝統の轍を無闇に広げちゃうね~。

それなりに面白いけどさ、商業的な要請で作られたエイリアンなんか、やっぱり怖くないし、いとおしくない。
生存の為に純粋な凶悪仕様となったゼノモーフちゃんの必死さが描けていない!
…単なるモンスターでした。

まぁとにもかくにも本作はファスドンに魅入ってしまったリドスコ翁のファスドンLOVEずっきゅん映画でしたね。ファスドンvsファスドンは楽しかったけどね。

真面目な話、そろそろリドスコ翁はエイリアン利権を手離して、才能ある若手に“エイリアン”を託していただいて、全く違う発想かつ肝を捉えたエイリアンが観たいですな。
「ロッキー」が「クリード」に生まれ変わったみたいにさ。

血で滑って危な~い!を二回続けてやったとき、ギャグじゃなかったらリドスコやべぇ…と思いました。
(ジェームズ・フランコが船長なんだから、意外とふざけて作っているのかも)
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