ロッツォ國友

エイリアン:コヴェナントのロッツォ國友のレビュー・感想・評価

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
4.5
宇宙船!全員バカ!キモ生物!ゴア表現!アンドロイド!悪趣味な大型建造物!そしてサイテー展開の連続!!!!!!


ひゃっほぅ!!!!!!
さいこうだぜ!!!!!!!
クライマックスじゃ、思わず声援(奇声)を上げて拍手を送りたくなりました!!!
これぞB級SF!!!!!
リドリー先生ありがとう!!!!!!


実はエイリアンシリーズもプロメテウスも完全未鑑賞&予習ゼロという、丸腰サブカル好き糞ミーハー野郎状態での鑑賞でした。
リドリースコットファンに知られたら背中やら腹やら食い破られそうなノー勉鑑賞だったんですが、置いてけぼり感はゼロ!最初から最後までメチャメチャ楽しめました!!!
ご馳走様っすあざす!!!!



B級SFと言えば真っ先にエイリアンを思い浮かべるほど(観てないけど)、高くそびえ立つ金字塔を立ててしまったリドリー先生。
オマージュかインスパイアかはたまたパクリか、とにかくこれでもかってくらいこれに似たSF映画があるはずだ。

B級っつーのは、要するに非権威的反知性的に楽しさ面白さを追求したコンテンツ形態だと思っている。
今やB級SFは、もはやいつまででも世に生み出され続ける状態にあると言っていいが、そこへリドリー先生自ら帰ってきた!!

謂わばオムライスにカレーとハンバーグとシュウマイと唐揚げを載せて遊んでた所へ、「おうボウズども、コレが本家本元本物のB級だぜ!?」と言わんばかりにリドリー先生がナポリタンにフライドポテトとチャーハンとトンカツを載せデミグラスソースとマヨネーズを死ぬほどぶっ掛けて登場したみたいな高揚感!!大元は観てないんだけどな!!!


もうのっけから、登場人物がみんなバカ。
バカっぽくないと思ってた唯一の奴はなんとアンドロイドということで、人間が全員100%バカという物凄い人口比率だ。

しかも2000人もの入植者の命を任されている立場だというのに、リスクヘッジの欠片も感じさせない無責任無鉄砲トランス状態。
そんでもって船長補欠は就任早々10年くらい固まってた針路をあっさり変えて訳分からん惑星へ。
んで多数決したら1人を置いて全員賛成するという民主主義の欠点全開で運命を狂わせるコヴェナント号。

ダメだこの人達、新宿の歌舞伎町すら安全に歩けないタイプだ……


B級SFと言えばバカな登場人物が最高のスパイスなのだが、主張が強すぎである。
一体誰がこいつらを選んだんだよ……


そこからの怒涛の展開には、全く退屈を感じさせない見事な演出が次から次へと登場するのだが、しかも不要に焦らすドッキリ演出とかが無く、上記の通り自業自得のバカしか居ないので今サラ可哀想という感情も皆無で絶望展開をドンドン魅せられる安心の信頼設計!

俺は割と、ドッキリ演出には怖くて目をそらすタイプなので、ドッキリ演出だけを積み上げて作った「ブラックスワン」なんぞは割と序盤からずっと両目を覆ってしまっていた為、「これもう観る意味なくね?」と鑑賞を中断したことがある。

そういう意味では、悪趣味界のスーパースターJr.とも言うべき本作は、鑑賞者をいちいち脅かしたりすることなく、絶望展開をキッチリじっくり楽しませてくれる。


そんでもって中盤から常に漂わせてきた「違和感」をバシッと、見事な絶望と共に伏線として回収するクライマックス!

いやーやられました。さすが。ブラボー。


起きていることはサイテーサイアクなんだけど、とにかく画面ガン見のまま滅茶苦茶楽しめたし、本当に心の底から清々しい爽やかな気分で劇場を後にできた。
気持ちよかったなぁ。。


帰りのエスカレーターでカップルの彼氏の方が半泣きで彼女に慰められましたね。
どうしました!?何か怖い物でも観たんですか???
何だろう?
クーラーが寒かったのかな????
ポップコーンが美味しくなかったのかな???
映像はサイコーだったもんな??え????


もっと言うと左隣の金髪野郎が逐一LINEをチェックしてたし、右隣の腕毛デブがポップコーンを取る度にヒジが俺に当たってたし、後ろの外国人野郎はずっと英語で解説してたし、本当に劇場のIQと民度をとことん下げるほど本作のプロモーションは大成功してたわけであります。


シリーズ観てない俺が言うのはお門違いも甚だしい限りだが、故にこそサイコーに楽しめるSFでした!!
みんなにオススメです!!
過去作も是非観たいと思いまっす!!!
ロッツォ國友

ロッツォ國友