ファスベン無双といって差し支えないだろう。エイリアンシリーズはもうファスベン抜きには語ることができなくなった。エイリアンの創造主ギーガーを差し置いて今作でエイリアンを手中に収めたリドリー・スコットの力技に感服する。
ただし、エイリアンを見るたびにファスベンを思い出すことになるのでエイリアンの神秘性みたいなものは失われるだろう。
前作の「プロメテウス」よりハラハラドキドキのアクション映画に寄せてきたなという印象。相変わらず乗組員さんたちのバカさ加減は変わらないがネオモーフに寄生されてからの勢い(手持ちカメラ!)はワクワクしてその後のあらゆる希望を摘み取っていく展開、なにかと大きいビジュアル、ハンパない血の量、監督の悪意のむきだしが暴走してる。誰も止められないところが見てて気持ち良い。老いてなお盛ん。いやしかしねゼノモーフ誕生の瞬間に感動的な劇伴をつけるのは笑っちゃいましたよ。
容姿がうりふたつだったらそうするよね、の映画あるあるを惜しげもなく披露してくれてサスペンスとしても面白い。
「プロメテウス」でなぜデヴィッドはあのような行動に至ったかは本作を見ると合点がいくようになってます。正当な続編のかたちになってますよ。