Pepe

マクベスのPepeのレビュー・感想・評価

マクベス(2015年製作の映画)
3.9
ウィリアム・シェイクスピアによる1606年の戯曲を映像化した作品。
原作『マクベス』はアメリカでは高校の頃に必ずと言っていいほど必読書としてでてくるのでよく知られている作品ですが
日本ではそこまで知られてないと思うので
あらすじを…

マクベスはスコットランドの王、ダンカンに仕える強く勇敢な将軍。
ノルウェー軍との戦いで犠牲を出しながらも勝利を重ねていく中、
3人の怪しい魔女に出会う。
その魔女達はマクベスに
「万歳、いずれ王になるお方」と予言を残しいなくなる。
王座を夢見るマクベスと夫人は
その野望を叶えるためダンカン暗殺を企てる…

『ハムレット』や『オセロー』、『リア王』と並び四大悲劇の今作は僕の中で1番のお気に入り。400年前の作品にも関わらずとても興味深く面白いストーリーだと思う。
映像化されるのは今回が初めてではないけど他作を観たことがないので今作のみで評価するけど
今作のシネマトグラフィーは圧倒的。
芸術的作品であり素晴らしい映像化。
スコットランドらしく霧のかかった重い雰囲気が映画のトーンに深みを出している。
息を呑むほど美しい映画だった。

そしてキャスト。
みんな大好き(?)
マイケル・ファスベンダーがマクベスで
その夫人をマリオン・コティヤール。
素晴らしい演技。
予告編にも使われてるけど
マクベスの「俺の心はサソリで一杯だ」のシーンは鳥肌立ちました笑
精神の錯乱した暴君マクベスの演技を繊細に演じてる。
マクベスを読んだことがある方は
わかるけど『マクベス』において1番怖いのはマクベス夫人。
マリオン・コティヤールの存在感はすごい。
強いていえば、少しテンポの強弱に違和感を感じるとこはあったけど映像が美しいのでそこまで気にならなかった。
あと盛り上がりに少し欠けました。
まぁ仕方ない点はありますが。

夏休み中に日本の映画館で観ましたが観客ゼロだったんでやっぱりシェイクスピアの戯曲なんてなると観ない人多いんだろうなとは思いましたがすごく興味深い作品なので是非観てください。
予告編も素晴らしいですよ!
予告編の冒頭で
「夫が王になった時、2人の運命が狂い出す。」とありますが素晴らしいアテンション・ゲッターですね笑

ジャスティス・カーゼル監督には今後期待です。
Pepe

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