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山の音のやのレビュー・感想・評価

山の音(1954年製作の映画)
4.0
誰も菊子のことを理解してあげられていない。夫の非情さ、姑の呑気さ、妹の幼さ、全てが菊子を苦しめる。舅も、自分だけは菊子を労っているつもりで、エゴイスティックだ。舅の中途半端な優しさは、菊子を苦しめるだけだ。この舅と菊子の関係は、家族愛を超えて性愛によって繋がっているようにも見える。故に、菊子を救えるのは菊子を自由にしてあげるだけだというのは、モラハラ夫やこの閉鎖的な家庭からというよりも、舅からなのではないかとも思えてしまうのだ。成瀬はやっぱりどこか倒錯的だ。
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