子供を持つある夫婦の奥さんが亡くなる。残された夫を心配した友人が彼の家を尋ねると、そこには女装した彼が子供の子育てをしていた。
ジェンダーを題材にしたフランスのヒューマンドラマ。コミカルなところもありつつ、しっかりと生物学的な性や心理的な性が描かれておりとても興味深かった。
観賞してから時間が経ってしまったのであまり詳細には描けないのだが、この作品では「見た目と中身の性の違い」を日常生活視点で描いているため、いつ実態がバレるのかとハラハラする。しかし考えてみればそのハラハラすること事態も必要ないはずである。
物語でも彼を一人の人間として魅力的に描いているため、女性が女性としての魅力にも気づいていく姿から「魅力は周囲に影響を及ぼしていく」ところがまたいい。
誰もが環境や固定観念で考えで作られていくものだと思うが、そこに問いかけをし、一人一人がもっと自由でその人としていられることがいいのではというラストは、個人的にはとても良かったと思う。