この作品が2014年の作品って韓国映画界、ものづくりと向き合ってるなぁ。
主人公のユン・ジウク刑事が、怪しい裏界隈のお医者さんにホルモン注射打ってもらうシーンがめちゃくちゃ上手くてこのシーンで一気に彼女のバックボーンとキャラクターを理解することができる。ヤクザも恐れるめちゃ強の刑事の、心の中のこと。
そうか。韓国の場合、男性は兵役もあるのか。比べるものでもないけれどこの兵役という制度は、性を強く意識するものだね。男性だったら、女性だったら。ジウク刑事みたいにトランスジェンダーは自分をどう受け止めていくのか。
この主人公は、どんどん男になっていく自分が気持ち悪くて悲しくて、だから強くなったし自分を傷つけながら海兵隊にまで入った。
初めてハイヒールを履いて女性の格好をして外に出かける時のシーンも嬉々としてでも恥じらいもあってユーモアもある。チャ・スンウォンさんのうまさもあって魅せてくる。
ヒロインの女の子もいい。職場の弟分のジヌもいい。
というか、主人公を取り囲むキャラクターの作り込み方も絶妙。