Rinako

アリスのままでのRinakoのレビュー・感想・評価

アリスのままで(2014年製作の映画)
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“苦しんでるんじゃない闘っている”
すごくいい言葉。
家族の愛に包まれながら一つの病気について知ることができた

他のユーザーの感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

自分が自分で無くなってしまう恐怖。
想像もできないけれど、ジュリアン・ムーアの演技がとてもリアルだった。

スピーチの内容、素晴らしかったなぁ。

「前と変わってしまった人間をどう扱うのか?
人の私たちを見る目が変わり、私たちも自分を見る目が変わる。
奇妙で無能力で滑稽な存在になってしまう。
でもそれは私たちではない。私たちの病気です。」

「喜びと幸福に満ちた瞬間が今もあるのです。」

「だから瞬間を生きています。
瞬間を生きること。それが私のできる全て。」

最後のリディアの朗読は、アリスはきっともう理解できていないはず。
それでも何について書かれたものか問われると「LOVE」と答えたのは、リディアが朗読してくれているそのこと自体に愛を感じたからなんじゃないかな。

そして始まる真っ白なエンドロールと、浮かび上がる「STILL ALICE」の文字。
記憶をなくしても、今この瞬間に愛を感じているアリスは、今でもアリスのままでいられているってことなんだろうな。

見終わった直後は、あ、ここで終わっちゃうんだ…って思ったけれど、変にドラマチックにしていないところが良いのかも。
K子

K子の感想・評価

3.3
問題児扱いされてたリディアが見返りを求めない愛情で母に接してたの鼻ツンとした。えっこれで終わり..というあっけない終わり方もリアルならではだと思う。
まいこ

まいこの感想・評価

3.3
若年性アルツハイマーの女性アリスが記憶を失っていく日々をつづった全米ベストセラー小説「静かなるアリス」を映画化し、アリス役を演じたジュリアン・ムーアが第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞したドラマ。

ニューヨーク、コロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリスは、講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に自宅までの道がわからなくなるといった事態が続く。やがて若年性アルツハイマー症と診断され、家族の介護もむなしく、アリスの記憶や知識は日々薄れていく。そんなある日、アリスは記憶が薄れる前に自らパソコンに残したビデオメッセージを発見し、自分が自分でいられるために、画面の中の自分が語ることを実行しようとする。

本作より現実はもっと悲惨な状態になるのが通例らしい(他レビュー参照)。
終盤のあるシーンで人間関係をアリスが突き放す瞬間がある。それ以降のアリスの心は確実に死にかけているのに関わらず、隙間にみえる"生"はなんとも残酷なもの。最早本人にはどうすることもできない。目に見えない境界線が出来てしまう。ここの表現が秀逸すぎて心に残った。辛い。
ジュリアン・ムーアの演技力に拍手。
とてもいい映画でした😭💦
50歳にして若年性のアルツハイマー病と診断された女性の話‼️
けっして他人事では見れない作品になっていてちょっと辛かったけど‥
家族の愛情とか絆も良く描かれていたのですごく良かったと思う😂✨
アリス役のジュリアン・ムーアさんが素晴らしかったです🥲✨💕
思わずウルっときてしまいました‼️
ラストは想像よりサラッと終わってしまいもう少し見てたかった感がありちょっとだけ残念でしたぁ😂🤣w w💦
だーー

だーーの感想・評価

4.4

このレビューはネタバレを含みます

記憶を失くしてたって自覚した瞬間の恐ろしさ
専門家の本は手厳しいみたい
面白い
言語学者である主人公が若年性アルツハイマーに苛まれていく様と彼女を取り巻く家族の葛藤を描いた話
過度に演出で盛り上げることはせず、あくまでドキュメンタリータッチで捉えていくのが良かった

自身の子供を忘れるくだりは今まで観てきた中で最も説得力があった

言語学者が徐々に語彙を忘れていく恐怖も興味深かったが、それなりに裕福な中流家庭というシチュエーションを活かしたリアリティの突き詰め方も見事だった

分かりやすい盛り上がりはないが、抑制を効かせたまま過不足なく描写を重ねたアルツハイマー映画の傑作
tanayuki

tanayukiの感想・評価

4.0
若年性アルツハイマー病に冒され、自分がそれまで築いてきたキャリア、社会的信用、家族、記憶や自意識まで1枚1枚強制的に剥ぎ取られる恐怖と闘いながら、最後は自分の運命を自分で決めることさえできなくなった、というより、極端に単純化されたタスクをこなす能力さえ奪われてしまった言語学者の記録。

かつて少佐が「人間が人間であるための部品が決して少なくないように、自分が自分であるためには驚くほど多くのものが必要なの。 他人を隔てるための顔、それと意識しない声、目覚めのときに見つめる手、幼かった頃の記憶、未来の予感」といったように、記憶は自分が自分であるために欠くことのできない構成要素であり、おそらく「記憶こそが自分」といえるくらい不可分な関係なのだろう。

自分が自分であるために不可欠な記憶が失われたあとに残るのが自分でないとしたら、それはいったい何なのか。生命の抜け殻、ではないことは明らかだ。身体が健康であるかぎり、記憶を失くしても生きていられる。ならば、それは魂の抜け殻? 自分を自分と認識する存在を「わたし」と呼ぶなら、「わたし」が去ってしまった肉体に宿るのは、「わたし」ではない別の誰かなのだろうか。いや、その誰かも自分を自分と認識できないはずだから、もはやそれは食べて寝るだけの自動機械のようなものではないか。それも「生きている」といえるのだろうか。それでも「生きていてほしい」と願うのが家族なんだろうか。

「PLAN75」のレビューで、「「自分で選びたい」という意志をもつことと、実際に「自分で選べる」ことのあいだには、やはり大きなギャップがある」と書いたけど、自分で自分の運命を決められるというのは、もしかしたら、人生のうちの限られた期間だけに許された、特別ななにかなのかもしれないなと思った。

死んだら記憶は残らない。生きているうちに記憶をなくすのは、やっぱり死んでるに等しいのだろうか。それなのに、いや、そうだからなのかもしれないけど、完全にボケて家族はおろか自分のことさえわからなくなった人の笑顔って、余計な社会的装飾が剥ぎ取られて、これ以上ないほどピュアに見えるんだよね。あれは、誰の笑顔なんだろう?

△2023/03/12 Apple TVレンタル。スコア4.0
kau

kauの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

経済的に困っていなくて、家族も愛してくれるからこそ安心してみれた
「アルジャーノンに花束を」を思い出した
こお

こおの感想・評価

3.8
若年性アルツハイマーになったアリスが徐々に記憶を失っていく過程を静かに丁寧に描く。
今の私もアリスに近い年齢になったからか、久しぶりに見たら、とてもリアルに感じた。
記憶を失うとともに、子供化し、人格が壊れ、老け込んでいくという難しい役どころをジュリアン・ムーアが見事に演じている。

そしてそんな彼女を支える家族。
特に最後まで支えるのが、家族の中でも一番やんちゃだった次女というところにも感動した。
若年性アルツハイマーを患ってしまった女性とその家族の姿を描いた人間ドラマ。

記憶が薄れていき、次第に自分の大切な人すらも忘れてしまうという恐ろしい病気で、自殺を考えるのも仕方ないくらい絶望しかない未来。

よくある闘病ものではあるけれど、演技が素晴らしいから目が離せない。ジュリアン・ムーアの熱演に心揺さぶられます。

中盤のスピーチは特に素晴らしい名シーン。こうやって日々思い出を積み重ねていけるという幸せを噛み締めて生きていかなければと思わされました。
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