このレビューはネタバレを含みます
認知症の中でも私個人が1番恐れているのがアルツハイマー病だ。
若年性でも高齢者でもどちらも悲劇で
アリスが言ったように地獄だろう。
祖父がアルツハイマー型認知症でした。
発症は70代前半でそれまでは近所をバイクで走るような祖父でした。
この映画のアリスの経過と全く同じではありませんが、とてもリアルに描かれているので思い出す所が多くありました。
オシャレな人から服を選ぶセンスが消え
子供想いの母親から子供の好物を作る想いが消え
誇りを持った社会人から仕事のやり方が消え
笑顔のよく似合う人から笑顔が消える。
深く考えずとも分かっていた“これが自分”という物が流れるように消えていく恐怖。悲しみ。怒り。
その真っ只中にいるアリスが言ったセリフやスピーチの言葉がとても心に突き刺さった。
そして最後のシーンからのエンドロールで涙が止まらなくなった。
この映画のタイトルは素晴らしい。
きっとアリスも祖父も最後まで望んだことは同じだろう。
そう教えてくれる映画だった。