海辺のフカフカ

アリスのままでの海辺のフカフカのレビュー・感想・評価

アリスのままで(2014年製作の映画)
3.8
アルツハイマーを患った女性の闘病記。

愛の力で病気を乗り越える、奇跡が起きて病気が治る、というようなドラマチックな展開はない。
病気の進行が日常生活にぽつぽつと現れてくるのは、恐怖でしかない。
記憶がなくなり分からなくなるのを、必死に取り繕い隠そうとする姿が痛ましくて、観ているのが辛くなる。

悲しく救いのない映画のように思える。
でも、アリスの抗おうとする姿勢を見ると胸に熱いものがわいてくる。

劇中のアリスのスピーチで、
私は病気に苦しんでるんじゃない、病気と闘っているんだ。
という旨の言葉があった。
ラストでどうにか言葉を搾り出そうとするアリス。
まさにその姿が病気と闘っている姿でありグッとくる…

内容はヘビーだけど、映像や音楽が繊細な雰囲気を醸し出していて、なんだか綺麗な印象を受ける映画でした。