アルツハイマーを患った女性の闘病記。
愛の力で病気を乗り越える、奇跡が起きて病気が治る、というようなドラマチックな展開はない。
病気の進行が日常生活にぽつぽつと現れてくるのは、恐怖でしかない。
記憶がなくなり分からなくなるのを、必死に取り繕い隠そうとする姿が痛ましくて、観ているのが辛くなる。
悲しく救いのない映画のように思える。
でも、アリスの抗おうとする姿勢を見ると胸に熱いものがわいてくる。
劇中のアリスのスピーチで、
私は病気に苦しんでるんじゃない、病気と闘っているんだ。
という旨の言葉があった。
ラストでどうにか言葉を搾り出そうとするアリス。
まさにその姿が病気と闘っている姿でありグッとくる…
内容はヘビーだけど、映像や音楽が繊細な雰囲気を醸し出していて、なんだか綺麗な印象を受ける映画でした。