Gak

ボーダーラインのGakのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
4.3
おもしろい

主人公の女はあくまで倫理的であり、社会的に正しい道を選択したい、一般人型

しかし、その女が所属している警察は、法律やルールを無視してまで、メキシコの麻薬ギャングたちを捕まえようとする。
白昼堂々犯人を殺して見せしめにしたり、移民を利用したり。

そこに不満があり、葛藤していた主人公だが、さらに、バディの男は、その警察に協力する代わりに、麻薬ギャングたちの大ボスを暗殺するつもりだったことが終盤に判明。
それはその男の首を斬られた妻と酸に投げられた娘の復讐のため。この殺害方法が残酷なだけに、男の復讐にも感情移入できてしまうのがうまい。
フツーに殺す。
あの食卓のシーンの息子や妻を撃つのか撃たないのかのサスペンス的緊張感は圧巻。

ラストは、男が女に銃を向け、何も法規を破っていないと証明する資料にサインするよう脅す。主人公の最大葛藤。

去る男に銃を向ける主人公。
しかし、撃たない。
それは主人公の正義が、ある意味打ち勝ったということなのか、それとも恐怖に負けたのか。
Gak

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