ちくわ

ボーダーラインのちくわのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
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原題の「SICARIO」は、殺し屋、暗殺者を意味するスペイン語との事。
メキシコの麻薬組織の支配地域へと潜入する、FBI捜査隊と謎のソルジャー。そして襲撃へ。
警察内外のどこに敵がいるか分からない、終始緊迫した内容。
繰り返される報復合戦とそれに介入する個人の復讐劇。その臨場感。
正義と悪の天秤に関係なく、流される血によって払われる犠牲は変わらないという事、そして残された家族の苦悩を思うと心が荒む。


目的のみを見据え、
闇夜に紛れ冷徹に殺戮を行うベネチオ・デル・トロ、
事態への理解に苦しみ抑えようのない恐怖と苛立ちに涙を滲めるエミリー・ブラントの演技力。
それらを深く冷たい漆黒の陰・影で映しとる撮影監督 ロジャー・ディーキンスの映像美はさすがとしか言いようがない。

一時の落ち着きを与えてくれたbar.ワイルド・ポニーでのダニエル・カルーヤの存在は偉大だった。
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