してぃぼ

ボーダーラインのしてぃぼのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
3.7
アメリカとメキシコの国境で繰り広げられる麻薬戦争。次第に内部に介入していくにつれて目の当たりにするほころんだ善と悪の境界。この2つにかかっているボーダーラインというタイトルが秀逸。ただ、シカリオという原題の意味をわざわざ冒頭で説明してくれているのに、知らないまま観賞すると初っ端から突然なんの話だと面食らってしまう気もする。

いくら綺麗事を並べた大義を掲げても、結局組織は個の集合体でしかなく、動くのは自らの行動意志を持った一人一人なわけで。麻薬組織と関わりのある汚職警官も、家に帰れば家族を支える立派なヒーローであり、生活のためと言えば何が善で何が悪なのか、どちらか一方に断定することは難しい。おそらく一般的な世の中でも同じで、特定のある方向に向き続けることは容易いことではないと感じさせられた。
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