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ボーダーラインのsilencioのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
3.8
一作ごとに作風がガラリと変わるドゥニヴィルヌーヴ。撮るごとに商業的になってる感じはあまり好きじゃないけど笑。初期の「灼熱の魂」は映画史に刻まれるほどの救えなさすぎるラストでめちゃくちゃ良かったなぁ。
この映画も麻薬戦争といった重厚なテーマです。なんとなく「カルテルランド」とかを観てから鑑賞した方が、より理解が深まる気がします。
途中まで緊迫した雰囲気と主人公が信じがたい現実に対して感じる無力感がしっかり描かれていてすごくよかった。
現実に立ち向かう強い女性が描かれる事が多い時代だけど、この映画は、一人の人間の精神力でどうこうできるような世界ではない、という現実をしっかり描いています。これが麻薬戦争なんだと。この点は素晴らしかった。実はエミリーブラントの主演映画じゃないというのがすごく上手いミスディレクション。
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