ドゥニ・ヴィルヌーヴ×テイラー・シェリダンって事で、納得の緊迫感。それに加えて焦燥感や無力感。息苦しさを体感する映画です。
“ハイテンション”というのは、本来はhigh(高い)+tension(緊張)で、日本で言うような“お笑い芸人みたいな人がバカみたいに騒ぐ”事ではなく、こういう映画こそまさに“ハイテンション”を具現化しているモノですよね。
この話の中での緊張感からくるイライラは喫煙くらいでしか緩和する術がないから、余計イライラがつのる。
さらにはそのイライラを最後でひっくり返してスッキリ!…みたいな作品ではない事はスタッフやキャストの座組みからも推し量れるわけで。ドンパチやって悪が滅んだヒャッハー!ってやつを観たい人にはオススメしません。
面白い作品なんだけど、アメリカがトランプ政権下の今(2018年)観ると、“アメリカは安全でメキシコは危険”っていうステレオタイプなメッセージとして受け取ってしまう人もいるかもしれない危険な映画でもある。実際公開当時はフアレス市の市長が“今はこんなじゃない!”って抗議してたらしいし。
そしてまさかの続編が公開されてるってのにビックリ。しかもテイラー・シェリダンとベニチオ&ジョシュも続投! 早く観たいぞ。