べるーし

ボーダーラインのべるーしのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
4.5
ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ロジャー・ディーキンズ、ヨハン・ヨハンソン...もうこの三人はレジェンドですな。

メキシコの麻薬カルテル殲滅の為に派遣されたFBI捜査官ケイトは、常軌を逸した極秘任務により善悪の境界が分からなくなって行き...というストーリーに見せかけて実はベニチオによる復讐劇だったオチ。


「1917」の撮影監督がロジャー・ディーキンズという事で鑑賞。彼特有の芸術的な絵面はヴィルヌーヴが描くリアルで静寂ながらも重厚感ある麻薬戦争劇との相性バッチリ。更には故ヨハン・ヨハンソン...今作に更なる重みを付け加えたのは間違いなく彼の音楽。緊張感がより増す低音な曲が非常に印象に残り易い。

エミリー・ブラントらFBIが麻薬カルテルを殲滅するアクション映画、と思いきや妙なリアリティ満載の恐ろしいストーリー展開の連続で観る者を緊張から解いてくれない。おいそれは心臓に悪いぞ(褒め言葉)

善とは、悪とは。単なる勧善懲悪で終わらないのも今作を大傑作足らしめる点。更にはアクションではなくデネチオによる復讐が後半のメインなのは意外。ドンパチをやると思えばやらずで脚本に起状があろうとも静寂さが続く。北野映画かよ。にしてもまた観てえ。

続編「ソルジャーズデイ」も観ますかな。
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