ゆみな

ディバイナー 戦禍に光を求めてのゆみなのレビュー・感想・評価

3.5
ラッセル・クロウの長編初監督作品だそうで。これ、地味ながらとても良かったです。戦争映画ではなく、戦争によって心に傷を負った人達のお話なんですよね。

序盤のあらすじ。第一次世界大戦で、トルコへ派兵された息子達3人が戦死してしまってね…戦争終結から4年後、妻は息子達を失った哀しみから立ち直れずに自殺してしまう。夫のジョシュア・コナー(ラッセル・クロウ)は、妻が望み通り、亡くなった息子達を探し出して妻の眠る墓に一緒に埋葬しようと決意し、トルコに向かう。

やっぱりラッセル・クロウの父親役って言うのは妙に説得力があってね、あの体格や風貌からかもしれないけど大きな愛が伝わってくるんですよ。
オルガ・キュリレンコ演じる未亡人の宿の女将アイシェも良かった。ジョシュアがかつての敵であるオーストラリア人だと知って始めは嫌悪感を示すんだけど、やがて少しずつ心を通わせるんですよね。なぜ、彼は助けてもらうことができたのか?やっぱり「愛する人を失った気持ちは、敵や味方関係なく同じだから」なんだと思います。

コナーの想いに打たれて、色んな人が協力をしてくれる。そして、ラストに彼は生きる希望を手に入れる。じんわり込み上げてくるものがあったなぁ。いい映画。


長男役のライアン・コアーが良くてさぁ。弟達を守れなかった自分を責め続けている切ない役なんだけど、彼の語りが切なくてね…胸が痛くなるシーンだったな。
ライアン・コアーは「ホールディング・ザ・マン」でも凄くいい演技をしていて、注目していた俳優さんだったので見れて嬉しかった。
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