そうか、私これのレビュー書いてなかったのか、てことで改めて。
(まだフィルマークス会員じゃなかったのね)
実在の人物をベースにした物語なんだけれど、楽曲の素晴らしさや演出のゴージャスさもあって、ミュージカル作品としてはとても華やかでハイクオリティな作品です。
人とちょっと違っても、容姿がちょっと異形でも、同じ人間、変わりはない、というヒューマニズムに溢れた作品になっているけれど、同時に今この時代だからこそこういうストーリーに昇華されて受け入れられる作品になったんじゃないかなっていうのも思ったりします。
この作品を観ると私の中では同じミュージカルとして、どうしても「オペラ座の怪人」が思い出されるんですよね。
オペラ座に出てくる怪人ファントムも異形で、あの物語の全ての始まりには、この作品のバーナム団のように、「異形のものを集めた見せ物エンタテイメントとしてのサーカス団」、そこで虐げられてきた者の行く末という、この作品と同じ骨幹があるのです。
ファントムはそこで目には目を的な残虐性を得て逃げ出した結果ああなるわけで、この作品はそれを光の方向へひっくり返した表裏のような気がします。
だから、こっちはヒューマニズムでくるんで「グレイテスト」って言ってるけど、事実としては、実際にはファントムが虐げられてたサーカス団と、その時代にそこまで違ってたとも思えないところも正直ある。
とはいえ、夢物語に仕上げられているんだろうなと思っても、やはり、ビュー・ジャックマンは最高のエンタテイナーだし、楽曲も演者さんたちも素晴らしい。
(今や超有名曲となった This Is Me の稽古中のドキュメントもとても感動的です)
結局は、色々あれこれと書いたけど、音楽と色と光の洪水に身を浸しながら、多くのかたに一回くらいは観て欲しい作品です。